Double Five Imagination Award 2019 上半期Hiphop,R&Bランキング前編(20〜11位)
Ameba OWNDに移行して初のDouble Five Imagination Awardです。初めての方のために説明します。
『今年一番のBlack Musicのアルバムを独断と偏見で決める』
以上です。自分の今年好きなアルバムを上半期、下半期に分けて発表します。セールスの売り上げ関係なく、人気も関係ございません。ジャンルはHiphop、R&Bのみ。平成最後にBand Sound、Pops部門もやっていましたが平成最後に終わりました。対象のアルバムは、
『2018年11月15日〜2019年5月15日までにレビュー発表されたアルバム』
が対象です。また、洋楽邦楽は問いません。Hiphop、R&Bのアルバムは全てが対象になります。また、5/15以降に発表されたアルバムは下半期の対象作品になります。
大まかにわけて6月に上半期、12月に下半期の発表をします。上半期の方が必然的に不利になってしまいますがここでも残るアルバムは相当のクオリティが高いという事です。基本、発表日は6/15日に発表します。
また、個別部門として、
『リリック部門』
『トラック部門』
『新人部門』
として個人的によかったアーティストを上げていきます。これも独断と偏見です。
そして、総合的に優れていたアルバムが一位です。この評価はあくまで独断と偏見ですが個別部門に入ったアルバムが入る可能性は高くなります。それだけ評価をしているアルバム、という位置付けです。
毎度ながら今年も激戦でした。しかしR&Bは原点に帰ったアルバムが多く2000年代、1990年代のような音が多く感じました。キラキラしたR&Bが一時流行りましたがその色もなくなったように思います。更に言えばヒップホップはトラップとブーンナップの二極化。これは日本もアメリカも変わりません。2つの表現法が明確化されたと思います。どっちつかずのラッパーは面白くなくなってきました。それを考えるともうラッパーもどう自分を売り込んでいくかを考えなければいけなくなったかのように思います。今はトラックメイカーは完璧な売り手市場になっています。しかしトラックが増える中でどう料理するかがカギになっています。それを下手なラッパーがやってしまえば、という所。しかしラッパーのバーゲンセールになっている中で果たしてこれが正しい事なのか?ラッパーはトラックで勝負するべきなのか?リリックで勝負するべきなのか?今はその域まで掘り起こさなくてはいけなくなってきたように感じます。ネットが広まって確かに露出できる環境は増えましたがそれで果たして残ることができるかどうかはわかりません。ある意味で未知数の世界になってきました。日本語ラップは流行っていますがJapanese Hiphopではない、とまで言われ始めてきました。残念ながらですが自分もそう思い始めています。そう思わないとダメなんかな、とまで思えました。悪いわけではないんですけど。なんか違うんだよなっていうラッパーが増えたような感じもします。ダメとかじゃない、聴き続けている自分の中でなんか違うな、って思えるのが多くなってしまったんですよね。でもそんなラッパーの中からホンモノを探していきたい、今もそう思っています。トラップは話別です。では、うんちくは終わってランキングはドカッと出します!!
20、Anarchy/The King
13000円のCDなんて馬鹿らしいです。その後すぐに配信してんだし。これめっちゃハメられた感があります。配信すんなら最初っからそういってくれよ…。という思いもあります。しかし、Anarchyが作った価値である、と思えば安いのかもしれません。しかし、俺は音源だけでよかったです。よってこのアルバムを買った事を後悔しています。結局シリアルカードも最初だけで今はなんの意味もなさないないし。これでまた様々な特典がついてくるのなら魅力には感じましたが結局そういった動きもないわけであって。だからこのこのアルバムを買った事に後悔しています。しかし、このアルバムを買ってよかったと思える日は来るんでしょうか?Anarchyがその価値を変えてくれると信じています。曲の内容はCDも配信も変わりません。Nipseyと偉い違いで残念でした…。
19、2 Chainz/Rap Or Go To The League
もうベテランの域なのかもしれませんがまだアルバムは4枚だけなんですよね。でも明らかに2 Chainzがデビューした事がヒップホップの音を変えた、とも思っているしスタイルも変わっていったと思います。このfeatもすごい豪華なんですけどクオリティも高いし、何よりArianaの7 RingsのアンサーっぽいかのようなI Said Meもそう。ネタもかなり気になってしまうようなものばかりです。そして2 Dollar Billのネタもそう。でもそのArianaはまったく違う曲でfeatのやばさもさながらなんですが何よりこのアルバムのトラックバリエーションが半端ないです。トラップだけで絶対に終わらせないのが2 Chainzの魅力でもあるし、ラップスタイルも幅広いんですよね。それが魅力だと思ってますし、何より息の長いMCであると思っています。このアルバムは長く聞けるアルバム、というより2 Chainz自体長く聞けるんだけど。
18、August Greene
Commonのラップがやはり冴え渡っています。また、今の時代には化石といっていいジャズ・ヒップホップ。実はコモンもこの色を最近抑えていたかのように感じました。でも実際には様々なトラックでジャズ・ヒップホップをやってたし、アルバムもリリースしているんですよね。しかしここまで大きいプロジェクトにしてリリースしたのは初めてだったと思います。今思えばBeが初めてのような感じもしたかな。しかし、コモンの魅力は様々な実験もする事。Electric CircusもそうだしNobody‘s Smilingもそうでしたね。どちらかといえば実験っていうテイストも多かったように思います。Black America Againもそうなんですけど常にヒップホップを使って何かを伝えてくれるコンセプトは今回のアルバムも変わりません。Brandyがものすごい久しぶりに聞けたのも収穫です(Anderson Paakでも復活している?これって今年誰もニュースにしてないんですよね)。ちょっとハスキーになったかな。しかし、このアルバム。正にジャケットの通りでこの世界観の中で聴くとさらに円熟味が増します。
17、Ella Mai/Ella Mai
新人としても実力もありながら、なんですが個人的にはやはりUKなんだな、いったこじんまりとしたまとまり感。綺麗なトラック。まとまった内容。どれをとっても面白みがないアルバムにはなっています。しかし、これ悪くいってしまうとそれまでなんですがUKのいいところってそこなんですよね。どのアーティストもしっかりと全部聞けるものを持ってくるし何よりUKのアルバムの質の高さがしっかりと出ていると思います。でも流行りに流されている内容でもないしシンガーとしての実力もしっかりあると思っています。しかしR&BのアルバムとしてもBack To Basicなものになっていてトラックを聴きやすく作り込んでいません。しっかりと質の高いもので作り込んでいると思います。featもChris Brown、John Legend、H.E.R.と豪華に固めていましたので新人賞ノミネートも必然と言えるでしょうね。間違いないアルバムになっていると思います。ただ、まとまりすぎているんですよね。もっと遊んでも良かったようにも思えました。
16、Ice Cube/Everythangs Corroupt
ウェッサィテイスト丸出し。ゴリッゴリの西の音。やっぱりこれがヒップホップ!!と思えてしまいます。このかっこよさが何より魅力です。まあ、こういうのは飽きるのも早い、というのもあるんですけどたまーに聴くとガッツリきます。東のゴリゴリさとまた違うんだよなぁ。でも音はWestside Connectionに戻っているかのように聞こえました。車に乗って聴くとガチドンピシャです。さらに言えばこのアルバム唯一Too $hortだけなんですよね。feat。それも強いかのような感じ。しかもこのAin‘t Got No Hatersの心地よさがマジで半端ないわけです。このアルバムがドンピシャなのはウェッサィ好きもそうなんだけどIce Cubeは俳優としてもしっかりした地位を持っているのでもっと映画好きにも知れ渡ってほしいんだよな。でもStraight Outta Comptonにて息子が出たんだけどクリソツだし。でもやっぱ親父のラップは最高!!なわけです。フロウも変わらないから尚かっこいいわ。
15、WilyWNKA/SACURA
Takaという名前でMCとして活躍していた一人の少年はWilywnkaとなった。現場でスキルを磨いた苦労人でもある。MC激戦区、フリースタイラー激戦区の大阪において彼は急激な成長を見せた。そしてそのMCよりも制作で魅せた。今ではこのデビューアルバムがバカ売れ。一躍新鋭MCの中でも人気MCとなりました。Anarchyの1%と契約。そして変態紳士クラブとしてもkt活動し、現場主義のMCでもあります。そのWilywnkaのスタイルは思ったよりもスタンダードタイプ。スキルで魅せる今の若手MCの中でもかなり不器用なスタイルです。彼のすごい所は、何よりヒップホップ激戦区の大阪から一躍飛び出た事。今の大阪は東京と並ぶ激戦区です。名古屋の衰退化もありますがフリースタイルダンジョンを見てる人はわかるかもしれませんが大半大阪のMCです。しかし、彼はフリースタイルバトルにはもう出てません。しかし、クラブで地道にライブを重ねてスキルを上げていく、その姿こそがヒップホップドリームの一つなんじゃないかな?とも思ってます。特に残ったのはSoul OneとタイトルチューンのSACULA。このトラックはシンプルだけどとてもリリックが美しいです。今後も間違いな要注目のMCの一人です。
14、6ix 9ine/Dummy Boy
FEFEが出た時はあーもうダメか?って思ったんですがいざ聞いてみるとそうでもなかったかな、と。何よりこのがなり声が中毒性が高いので何よりこればっかしなんですがゲストがすごい豪華である事と、何より旬をいったアルバムかな、と。しかしヒップホップらしさというのをあまり感じるアルバムかというと程遠いアルバムになってる感じもするんだよな。ゲストはめっちゃいいんだけど。多分テカシのフロウの乗せ方の問題もあると思うんだけどMos Defのインタビューの通りでがっかりした、というのはテカシが新しいと思わせたのはメディアが原因であってテカシ自身は特に新しいことは一切やってなんですよね。でもそれを新しいとメディアが撹乱したのとテカシがプエルトリコ系とメキシコ系のアメリカ人という所もあるんじゃないかな、と。俺も新しいとは思えないけどトラック自体は悪いとは思わないしいいものは作っていると思いますね。
13、Arian Grande/Thank U Next
アルバム自体かなり落ち着きました。またArianaの歌い方も落ち着きましたね。貫禄はまだまだないけど昔みたいな高音中心に攻める歌唱法ではなく歌に深みを乗せています。それがしっかり出ていたのはImagineです。この先行を聞いた瞬間にArianaもここまでいけるんだな、と思えました。そしてBad Ideaのようなトラックもしっかり歌いこなすし、サンプリングの問題にもなった7 Ringsも仕上がりは万全です。Arianaのアルバムは正直どのアルバムもハズレがありません。1stのようなR&Bテイストも未だにしっかり残しているし何よりどの曲もクオリティが高いです。それに天才とも言える彼女の歌が乗るのだから圧巻の良さになると思っています。バリエーションも豊富だし最近は無駄にfeatも使わないのも強み。純粋に一人で勝負できる強さを持っています。Dangerous Womanの進化は未だ止まりません。このアルバムも圧巻の内容です。しかし、今までのArianaのランキングの中では下位のになってしまったかな。他の質もいいもので。
12、21 Savage/I Am > I Was
今のトラップが多い洋楽の中でも今年は一番最初に騒がせた21 Savageなんだけどこのアルバム自体はすごく聴きやすくてクオリティも高いアルバムなんですよね。何がいいかっていうと低い声ながら、もすごくしっくりくる声でフロウもしっかり乗っているしビートを多少早くしてもしっかりしている。トラップスタイルの中でも一番先駆者のT.I.に近いからかな。多分、昔から聞いている人でトラップ苦手な人はしっくりくるかもしれません。俺もこのアルバム聞いた時になんかこのアルバムだけ中毒になっているんですけど多分それが理由かもしれません。曲の世界観も華やかなものはないんですがそれがよかったのかもしれません。内面の方が強いアルバムになっていますね
11、Mu-Ton/Ripcream
Spin Me Aroundから一発目から攻撃的なリリック、フロウ、そして時折みせる抜き具合。今の日本語ラップにおいての獅子と言えばもはやMu−Tonの事かもしれません。ダンジョンから出てきた時のあの衝撃。焚巻と同じ衝撃でした。しかしスタイルは焚巻よりも攻撃的かつテクニカル。決して焚巻が攻撃的でないわけではないんですけど母音の強め方なんだよな。ムートンはとにかく母音を強めんですよね。だからインパクトがつく。焚巻はもっとテクニカルに畳むんだよな。ってバトルの話はいいとして。アルバムの内容もとにかく攻撃的なものが多いです。Dreamin‘みたいなトラックも平気にこなすしAir Force OneもBurnみたいなアゲものもめっちゃアガります。トラックにメリハリがしっかり取れている内容なのですごい聴きやすいアルバムになっています。初めて聞く人でもこんなにかっこいいラッパーいんだ?って思える内容ですね。洋楽中心に聞いている人でも聞いてみる価値はあるアルバムだと思います。
次は10〜1位の発表です。
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